ハンドメイドグラス
当店でご利用いただいているハンドメイドグラス
お作りいただいている菅原工芸さんを見学してきました。菅原さんの素晴らしいのは個々の職人さんによるデザインもそうですが、色目がキレイなこと。ガラス工房にはそれぞれ得意分野があって、うすはりで有名な松徳硝子さんなら薄い硝子だったり、田嶌硝子さんなら切子だったりとあるのですが、そのなかでも菅原さんはほんとうに色が鮮やかです。ガラス製品は透明でクリアなものが多いですし、ガラス好きには好まれますが 当店で唯一色付きガラスを仕入れさせていただいているのがこの菅原さんになります。
炉の前にはガラスに色をつけるための砂が置かれ、色についても丁寧に説明してくれます。いろんなガラス工房行くとそのガラス工房でメインになる炉の説明からなのですが ここでも菅原さんの色に対するこだわりを感じます。鮮やかさを出すための工夫も努力も本当に惜しみなくされている姿が拝見できて感激しました。
今回の目的は当店に収めていただいているハンドメイドグラスの制作見学です。
私がお作りするわけには行きませんので(笑)、それでもどのように作られているかをお使いいただく皆様にご紹介できればと。
宙吹きしたガラスは 写真のような状態。もちろん、グラスですので不要な上部を切り落として行きます。
高さを揃えるために回転台の上に置き 火入れしてその火で温まった部分からパンと割って 切り落とします。
その一瞬の作業で 帽子をかぶっていたようなグラスが すぱっとこんなかんじに。でもこれだと口部分が切り放しガラスなので 危ないですよね。そこで
水を流しながら切断面を研ぎます。すでにここで3人の人の手によって作られているのですよね。宙吹く人、火入れする人、水で研ぐ人、もちろんこの前段階では色を混ぜて作ったり、炉でガラス種を溶かすなどの作業工程でもあるわけですから、本当にハンドメイドのグラスには多くの人が携わっていることがわかります。
そしてこのままではありません。切断面だけを滑らかにしただけですからまだエッジは鋭いわけです。そこで熱を加えて鋭くなっている部分のガラスを溶かすことによって丸みをつけます。
丸みをつけるといっても 一つ一つ手で触って確認することなどできませんから、これも職人の目による感覚です。ここまできてようやくハンドメイドグラスが出来上がってくるわけですが ここからまたキビシイ検品が始まります。制作途中は目測で確認していたものを今度は手触りなどで難点はないか確認して行くのです。その検品で1~2割が廃棄となります。でもご心配なく!廃棄といっても捨てるわけではありません。ガラスの状態のまま ガラスの原料の砂と一緒に炉に戻すのです。そこで また新しいガラスとなってお目見えします。ですから前述の宙吹きの帽子状態になっていて切り落とされた部分も、炉に戻ります。自然からできているからこそ、自然に戻れるのでしょうね。それがまたガラスの魅力ともいえるのでしょう。
こうやって多くの人の手を渡り作られるハンドメイドグラス。機械作りのグラスと違い、人の温かみがかんじられるグラスである理由はこの手から手へと受け渡される作り方だから。そんなハンドメイドグラスの良さをもっと多くの人に知っていただければなあと思います。





