工房庭の楓が芽吹き始めました。
桜が終わり、新緑を告げるシュプレヒコールのようです。さあ、また新しい季節の始まりです。
工房庭を作った時に 全部常緑樹にしようと思ったのに気がつけば銀杏に花桃、楓と3本の落葉樹を選んでいました。落葉樹は毎年葉を落とすので 掃除が大変だから植えないようにしよう思っていたのに、その佇まいをみて思わず「欲しい!」と思い、手が出てしまった木々です。
いろんなシーンでそうゆうことはありますよね。コンビニに入る前は「おでんを買おう!」と口がおでんになっていたはずなのに 甘いあま~いエクレアを買ってみたり、今日のお昼はラーメンを食べようと思っていたのに、行列のカレー屋さんの前を通るとついそっちに並んでみたり。
人は「こうしよう!」と思っていたのに違う方向に進むことがあるものです。その違う方向に進んでしまった後で、エクレアの甘さに飽きてきて 「ああ、やっぱりおでんにしとけばよかったな。」や、なかなか進まないカレー屋さんの行列に業を煮やし「ラーメンだったら食べ終わっていたのに。」などと後悔することは簡単ですが、少し見方を変えると 「おでんだとやっぱり物足りなかったよね。」とか「カレーの方が安くついてよかった。」などポジティブに考えることはとても大切なことと思います。
そんなの、つじつま合わせじゃない?ということも簡単ですが、想定外の出会いは自分の予測していた以上の楽しみや喜びを与えてくれるものです。例えば、エクレアの方が食後のコーヒーが美味しく感じられたり、並ぶほどのカレー屋さんのカレーを食べたことで友人たちに自慢できたり。もちろん、私も楓の葉を掃除することを大変と考えず、その移りゆく葉を楽しむことで心が和みますし、花桃の実を目当てに飛んでくる鳥たちの声が聞けるのは幸せなことだと思っています。
何事も思うとおりに世の中など行かぬものです。ならば、それを憂うより「思うとおりにならなかったからこそ得られた経験」を指折り数えてみれば、「世の中、それなりに楽しいよね。」と思いながら生きていく方が楽しいのではないでしょうか。しかし、書き連ねて 食べ物の喩えしかでてこない私は単なる食いしん坊さんですね。もう少し風流なものを書き連ねれるようお料理に精進せねば。